凱陣を訪ねて 後編

昨日の続きです。
DSCF0136_convert_20150710154213.jpg
中に入ってみると、事務所らしき部屋に明かりがついています。「ごめんください」と声をかけてみると、どうやら丸尾氏の奥様らしき方が窓口に現れました。ひとしきり中を見渡してから、凱陣について伺ってみました。凱陣を求めて蔵元へやって来る人もかなりいるようで、生産量が非常に少なく、欲しい方にお譲りするだけの量がないので申し訳ないとしきりに仰っていました。上の写真は、蔵元で買うことが出来る凱陣のサンプルですが、何やら紙が貼りつけてあるのが分かると思います。それらは在庫がない種類の酒です。
私が一番聞きたかった事は、地元向けの上撰のようなアル添・火入れの酒がまだあるのかということでした。残念ながら数年前からそれらの醸造は止めてしまったとのことです。アル添は今は大吟醸一種類のみで、醸す酒の大部分が無濾過生原酒となっているようです。今のトレンドに合わせて醸造しているということが窺えました。
DSCF0137_convert_20150710154245.jpg
もう一つ聞きたかったことは、善通寺市にある瀬川酒店との関わりです。ネットで調べてみると、瀬川酒店は一時期、丸尾本店の支店のような関係にあったということだったのです。それに関しては、瀬川酒店とは親戚関係にあって、戦時中、丸尾氏の父上が出征することになったために、一時期瀬川酒店に酒造業の免許を譲ったことがあったそうです。終戦後、丸尾氏の父上は無事に帰還して、醸造業を再開したと云います。そうなると、なおさら瀬川酒店に行ってそのことを聞いてみたくなりました。丸尾本店を後にしてJR予讃線に乗り、隣の善通寺市に向かいました。駅から歩くこと三分程度で、お目当ての瀬川酒店が見えてきました。ここも随分古い建物のようです。
DSCF0138_convert_20150710154326.jpg
かつて善通寺市には陸軍の第十一師団が置かれていましたが、なんとそこの師団長はあの乃木大将だったのです。瀬川酒店は醸造業をしていた際に「師団一」という酒を醸していたそうですが、この張り紙を見る限りまだ売られているのでしょうか?
DSCF0139_convert_20150710154352.jpg
中に入ろうとすると、ちょうどご主人が帰ってきたところでした。丸尾本店から来ましたと話を伺おうかとした時に、常連客のような若い男が「凱陣はないか」と言ってご主人とやり取りを始めてしまいました。何やら取り残されてしまい、仕方なく店内を見渡してみました。するとどうやらここは昭和時代の典型的な酒屋のようで、既に製造されていないようなサントリーやニッカのウィスキーが棚に置かれていました。一応日本酒用の冷蔵後もあるのですが、凱陣は入っていません。男とのやり取りを見る限り、凱陣が欲しいというと奥から出してくるような感じです。そして張り紙にあった師団一は冷蔵庫に入っていましたが、ラベルのスペックを見る限り、とても値段にあった内容ではありません。相変わらずやり取りが続いているので、諦めて店を出ました。あのまま残っていても、あまり有益な話を聞かせてもらえそうもなかったように思います。
143619934489803878179_IMG_9127_convert_20150709132950.jpg
さてその晩のcasa blanca家。私が送った一番左の赤磐雄町の無濾過生原酒の他に、火入れの純米吟醸「興」、純米吟醸誉凱陣、純米吟醸金毘羅大芝居が用意されていました。高松市内の酒屋で購入されたとのことですが、よくこれだけ集めたものです。残念ながら誉凱陣は飲むことが出来なかったのですが、オフ会のみんなで凱陣を十分すぎるほど堪能した一夜となりました。
スポンサーサイト
コメント

No title

おはようございます~ へるぞうさんのこだわりがなんとなくわかってきましたね
同じ飲むなら良く知っておかないとね
Casablancaさんのところではもっと 吟味して飲んだら良かったよ後悔しております
美味しいお酒を飲むにはやはりrそれなりの知識もいるのは当然ですよね
ちょっと勉強して美味しいお酒を飲みたくなりましたよ

No title

いい酒に囲まれて
オフ会を楽しめたのはいつまでも
思い出に皆さんの心に刻まれたことでしょう。

No title

日本酒パーティでしたか。
多くの種類を呑み比べ、それに合う料理を思考してみるのも面白い事ですねぇ。

No title

最初ハネ 吟味して
転がして 鼻から抜いてって
やっていたんですよ。
でもね・・・ 気がついたら

 美味しい 次!って

ダッテ 全部美味しかったんだもの・・・

でね、本文の中 瀬川商店の棚にあった
 ニッカ!! なんだったんでしょう?!

気になるなあ σ(゚ー^*)

 やっぱり 訪ね歩き!シリーズ

カキタメテ 本にしましょう!!

No title

おはようございます
日本酒へのこだわり、知識、
やはりへるぞうさんはただ者ではない!

テス(nosaman)さんもコメントしていますが、
casa blancaさんのお宅では
もっと味わって飲むべきでした。

No title

下戸にはよくわからないのですが、水の少ない四国にも美酒はあるんですかねえ。越後の酒というのは聞いたことがあります。まあ、それなりにいたるところで工夫して美味しい酒を造ってるんでしょうが、一番は水ではないのですか。
ヘルさんが特に自慢の酒は何でしょうか。

No title

オッハ~
やっぱ酒通の記事は押さえどころが
違うなぁと感心しながら読みました。

丸尾本店は、いつか行きたいと思って
ましたが、先越されちゃいました。(^。^;)

そっか、酒は味わって飲むべきだったかぁ。
でも、美味しい酒で楽しくやれたから〇です。(*^ ^* )V

No title

おはようございます。
ラベルのデザインがいいですね、こういう字が
素晴らしい~美味しいのがわかりそうですわぁ。

No title

仙台から、おはようございます。

写真を見て、今はもう、移転してしまった八幡町の「天賞」の建物を思い出しました。ランドマークになるくらいに風情のある建物だったのですが・・・

仙台の街と宮城県内には数多くの酒蔵が有るのですが、私のレポートではこのように愛情がこもった記事にはできないですねぇ。
高忠さんではないですが、『やっぱり 訪ね歩き!シリーズ カキタメテ 本にしましょう!!』
ですね。きっと良い物ができると思いますよ。

No title

テス(nosaman)さんおはようございます。
気に入った酒になるほど、その酒のことをもっと知りたくなりませんか?蔵元はどういう方針で酒造りをしているのかというのは極めて重要なことだと思います。ですから今回でも、酒を買うことが目的ではなく、関係者からいろんな話を聞くのが目的でした。瀬川酒店では残念でしたが、丸尾本店で聞けたことだけでも十分でした。

No title

せいパパさんおはようございます。
私も凱陣の一升瓶を一本買って送ったのですが、casa blancaさんちでも同じ小瓶があったのでそちらを開けました。一升瓶を飲み切るのは大変ですからね。
それにしても、casa blancaさんの御主人が、よくこれだけ凱陣を惜しげもなく出してくれました。ただただ感謝しかありません。

No title

MONTAさんおはようございます。
ある程度酔いが回ってから飲み比べになったので、正直あまり違いが分かりませんでした。ただ私の好みからすれば、純米吟醸金毘羅大芝居が一番良かったように思います。これは凱陣得意の生原酒ではありませんが、火入れも非常にレベルが高いですね。

No title

└|∵|┐高忠┌|∵|┘さんおはようございます。
利き酒会のように、酒の味を利こうとしなかったのは結果として良かったように思います。そんな事をしても楽しくありませんから。
瀬川酒店のことは、帰りがけにでも話しておけば良かったかもしれません。埃をかぶったような物ばかりでしたが、全部半値になっていたように思います。で銘柄ですが、あれは二十年ほど前に見たような…。はっきりとは分かりません。ハイニッカも1440mlの瓶入りだったかな?Amazonでも見かけないサイズのようでした。

No title

くるたんパパさんおはようございます。
あの雰囲気で味わって飲むのは無理なように思います。でも楽しく飲めて、誰もが大トラにならなかったので良しとしませんか。
私自身はそれほどこだわっているとは思っていないのですが…。世の中にはもっとこだわりぬいているマニアがいます。あそこまではやりたくないですね。

No title

nibari1498さんおはようございます。
今の時代、地元にある米や水だけを使っている酒蔵は少ないと思います。米であれば兵庫県産の山田錦、水なら何百キロも離れた名水の湧き出るところにまで、毎日汲みに行くことをする酒蔵は幾らでもあります。
酒ですか。一応地元愛知の「義侠」と静岡の「磯自慢」を挙げておきましょう。

No title

casa blancaさんおはようございます。
わざわざ二回に分けて書いた「凱陣を訪ねて」は如何でしたか?正直丸尾本店ではまだ聞きたいことがありましたし、丸尾氏から直接聞くことが出来ればなお良かったと思います。それでも、以前から思っていた疑問が解決したので、私としては満足しています。
例の凱陣の秘蔵酒ですが、一応九月十日に書く予定でいます。ただし変更することも十分あります。

No title

ムームーさんおはようございます。
最近のラベルは、墨で書いた文字だけというのがすくなくありません。灘や伏見の大手メーカーのそれとは対照的といえるでしょうか。最後の写真、四本並んでいる右から二番目の誉凱陣ぐらいですね、昔ながらのデザインをしたラベルは。以前地元向けの商品には、こうしたラベルが使われていたようです。

No title

あきあかねさんおはようございます。
下戸のあきあかねさんでは、酒に愛情を持って接するというのは無理だと思います。私が和菓子店の紀行文を書く場合と同じでしょうね(笑)。
オフ会向けに送って貰った、あのササニシキの純米大吟醸、あれは米を削るだけでも大変だと聞いたことがあります。ただし、もう亡くなられた南部杜氏の長老の方は、好んでササニシキを使ったとか。地元の米から酒を造りたいとの思いがとても強かったようです。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する