ベートーヴェン ピアノソナタ第29番作品106 「ハンマークラヴィーア」 

月に一度のCDレヴューですが、今回ほど辛い思いをしたことはありませんでした。猛暑の中、何日もかけてベートーヴェン畢竟の大作「ハンマークラヴィーア」を聴き比べることになろうとは…。ピアノソナタでありながら四楽章あり、普通に演奏しても四十分は優にかかるほど規模が大きく、また内容的にも非常に重いので、単に聞き流すだけでも精神的に相当疲れてしまいます。
ベートーヴェンのピアノソナタは、有名な「悲愴」「月光」「熱情」のように分かりやすいものも多いのですが、このハンマークラヴィーアだけは何度聴いてもとりとめがないといった印象が拭えませんでした。長大なアダージョの後を受けるフィナーレは何とフーガ!技術的に難度が高いのは当然ですが、個別の楽章ごとに加え、全曲の構成をしっかり把握するのが大変困難になっているのです。
DSCF1312_convert_20150730153457.jpg
まずは定番中の定番、バックハウスの1952年の録音です。実はステレオで再録音する予定だったのですが、バックハウスが途中で死んでしまったので、ステレオの全集のハンマークラヴィーアにはこのモノラル録音が入れられています。正直、これから聴き始めたのは間違いでしたね。何度聴いても良さが全然分かりませんでした。
DSCF1311_convert_20150730153433.jpg
バックハウスと並び称されるベートーヴェン弾きだった、ゼルキンの録音はステレオなのでずっと聴きやすくなっています。全体としては良い演奏だと思うのですが、時々トリルの部分で旋律が良く聞こえない部分があって、今一つ音楽にのめり込めませんでした。
DSCF1308_convert_20150730153340.jpg
旧ソ連のピアニスト、ヴェデルニコフの録音もありました。両親がスパイ容疑をかけられて父親が処刑、母はシベリア送りとなり、自らも監視されながら演奏活動を行っていた悲劇のピアニストです。状態の良くないピアノをあてがわれたせいもあるのか、音が今一つ冴えません。やや早めのテンポで端正な演奏ではありますが…。
DSCF1310_convert_20150730153415.jpg
今まで一番良く聴いているのが、ポミエの録音です。彼はフランス人なのに、なぜベートーヴェン?と思ったのですが、彼の師匠がイーヴ・ナットということで納得しました。ナットはフランス人で最初にベートーヴェンのピアノソナタ全集を完成させた人だったからです。全体的な構成がしっかりしているだけでなく、細部まで全く手を抜いていません。ハンマークラヴィーアはこの両方が揃っていないと凡演になってしまう恐れがあるのですが、ポミエは実に多彩な音色を持って聴かせてくれます。その分、やや軽めな印象があるので、これが好き嫌いを分けるかもしれません。
DSCF1309_convert_20150730153357.jpg
ハンス・リヒター=ハーザーは最近買った物です。バックハウスはよく「ドイツ正統派のピアニスト」と云われますが、実際聴いてみると意外にもSachlichkeitなのです。むしろドイツの伝統を守っているのはリヒター=ハーザーの方ではないか?と思えるのです。この演奏は完全に曲を手中に収めている、いわゆる自家薬籠中といった感じでしょうか。ちょっと重い感じですが。
DSCF1313_convert_20150730153524.jpg
最後にまたバックハウスです。これはデッカに録音した七年後、ドイツのボンでの演奏会を記録したものです。あまり期待していなかったのですが、これはスタジオ論音よりも断然良い演奏でした。特にアダージョを最初から最後までしっかり聴き通すことが出来たのはこの盤だけでした。

元々私なんかの手に余る曲ではありますが、改めて聴く度に新たな発見があるので、しばらくしたらまた聴き比べることになるでしょうね。まだまだ聴いていない演奏家も多いことですし。
スポンサーサイト

愛甘水

先週あたりから、デンパーク脇のJA産直所に梨が出回り始めました。
DSCF1298_convert_20150730034833.jpg
さすがにスーパーにはまだ出ていません。安城市が梨の産地だからこそでしょう。ちなみに数年前に新設された小学校の名前がなんと「梨の里小学校」!本当にこんなネーミングをするとは思いませんでした。
DSCF1299_convert_20150730034850.jpg
それはともかく、この梨は甘水と書かれています。正確には愛甘水で、平成二年に安城市の農家が登録したばかりの新しい品種です。梨は出回る時期があって、お盆頃には幸水、それから豊水、秋が深まってくると新高というように、短いサイクルで違った品種に変わるのです。この時期に出回り始める愛甘水は極早生といえるでしょう。味の方は名前通りに、甘味があって瑞々しく、酸味が少ないので食べやすい品種です。
DSCF1301_convert_20150730034906.jpg
それから巨峰があったのでついでに買ってきました。
DSCF1302_convert_20150730034923.jpg
ハウス物のようですが、市内で栽培されているようです。このように、安城市は果物が豊富に採れるので、季節ごとの果物を愉しむことが出来るのです。

梅干しの甘露煮とゆかり

今日は昨日の後日談のようなものです。梅干しが干し上がったので、一昨年に漬けた梅干しと紫蘇ををどうにかして使う必要が出てきました。
DSCF1287_convert_20150729035714.jpg
一昨年は沢山漬けたので、まだかなり残っています。きちんとした物であれば保存する方が良いのでしょうが、途中で皮が破れた物が多く、まだ使い切っていませんでした。
DSCF1292_convert_20150729035743.jpg
梅干しは一晩水に浸して塩抜きし、ひたひたの水と大さじ四杯ほど砂糖を加えて、途中で水と砂糖を追加しながら弱火で一時間ほど煮ます。
DSCF1294_convert_20150729035803.jpg
梅干しの甘露煮になりました。これに湯を注げば「梅湯」として使うことが出来ます。
DSCF1295_convert_20150729035819.jpg
一緒に入っていた紫蘇は一日天日干ししておきます。
DSCF1296_convert_20150729035837.jpg
それをすり鉢で粉状にすれば「ゆかり」になりました。
DSCF1297_convert_20150729035857.jpg
ご飯にゆかりを振りかけておにぎりにしてみました。市販の物と比べてみた目は今一つですが、これは無添加ですから安心して使うことが出来ます。勿論おにぎりだけでなく、ご飯にかけてふりかけにするのも良いでしょう。

梅干し漬け その三

梅と紫蘇を漬けこんでから一か月ほど、ようやく梅雨明けして天候が安定してきました。やっと土用干しをすることが出来ます。
DSCF1255_convert_20150728035133.jpg
梅酢が紫蘇にしっかり被さるだけあったので、土用干しまで黴が生えることはありませんでした。
DSCF1256_convert_20150728035153.jpg
梅と紫蘇を取り出し、梅酢をよく切っておきます。
DSCF1257_convert_20150728035208.jpg
ベランダに平たい竹籠を置いて、そこに梅と紫蘇を並べてゆきます。勿論晴天が絶対条件で、曇りの日に干すことは出来ません。
DSCF1260_convert_20150728035246.jpg
夕方には梅酢の中に梅を戻して漬けておきます。干した梅がまだ熱を持っているうちに梅酢に漬けこむことで、梅がより赤く染まるというわけなのです。ちなみに紫蘇については取りこんでまた干すだけです。要はこれを最低三日繰り返すだけなのですが、途中梅をひっくり返してまんべんなく干すようにするなど、思った以上に手間が掛かります。
DSCF1289_convert_20150728035314.jpg
途中天気が悪い日があったので、都合四日干した梅です。これは常温で保管します。
DSCF1291_convert_20150728035331.jpg
干している間に皮が破れたり、あまり出来の良くない梅は、梅酢に漬けて冷蔵庫で保管します。これは裏ごし用で、鱧の落としを食べる際には欠かせません。

活け締めされたハマチ

最近一色漁港へ行っても手ぶらで帰ってくることが多く、他に魚は…というと三河安城駅近くのスーパーに行くぐらいです。鰹が欲しかったのですが、物があまり良くないのに加えて値段が高かったので断念。沢山出ていたハマチの方が良さそうだったのでこちらを買ってきました。
DSCF1279_convert_20150727035822.jpg
50㎝・2kgといったところでしょうか。色艶も非常に良く、これで¥780(税抜き)ならお買い得ですね。
DSCF1280_convert_20150727035841.jpg
よく見るとエラ蓋のところに刺し傷があります。どうもここから放血したようです。ハマチを活け締めにするというのは珍しいですね。
DSCF1281_convert_20150727035900.jpg
鰓を見ても、濁っていません。島根県産ということですが、下手な近海物よりも物は良さそうです。
DSCF1282_convert_20150727035918.jpg
鰤一族の場合、ウロコが細かいので柳刃ですき引きにします。これをやるのも久し振りになってしまいました。
DSCF1283_convert_20150727035934.jpg
以前は毎日のように魚を扱っていましたが、最近ではなかなか捌く機会がなく、腕が落ちるのが心配です。
DSCF1284_convert_20150727035949.jpg
山葵醤油も良いのですが、青魚だと途中で飽きがきます。そこで生姜や大葉、茗荷等の香味野菜を刻み、醤油と酒に刺身を浸して胡麻を振って食べる、いわゆる「りゅうきゅう」にしてみました。これなら飽きずに全部食べてしまいます。
DSCF1286_convert_20150727040024.jpg
あるいは玉葱と青唐辛子、トマトなどと和えて、レモン汁と油、それに塩胡椒などで味付けする「セヴィーチェ」風にして食べるのも良いと思います。
DSCF1285_convert_20150727040007.jpg
アラは大根と一緒に煮るブリ大根です。この猛暑の中、火を使うのが辛かったなぁ…。

芋焼酎 伊佐大泉

三河安城駅近くのスーパーに寄った際、久し振りに芋焼酎の伊佐大泉を買ってきました。一昨年あたりから、この店は焼酎の品揃えが良くなって、三岳も定価販売していることがあります。
DSCF1247_convert_20150726035948.jpg
以前一升瓶は買ったことがあったのですが、五合瓶は初めてです。伊佐大泉を醸す大山酒造は、鹿児島県の伊佐地方にあります。このあたりは焼酎造りが盛んなようで、代表的な物としては伊佐美がよく知られています。大山酒造では、伊佐大泉の銘柄のみを醸しているとのことです。
DSCF1248_convert_20150726040024.jpg
この伊佐大泉もタイ米を使用していることが分かります。コストの面だけでなく、芋焼酎の麹としてタイ米が適しているということは、先週の八幡の際に書きました。伊佐大泉はさっぱりとした飲み口ですが、ちょっと麦焼酎のような香ばしいような風味があって、それで好き嫌いが分かれるように思います。どちらかというとお湯割りよりも、ロックの方が飲みやすい印象でした。

満月ポン お試しセット

高松のオフ会で、テスさんはBBQの肉等を用意してくれましたが、その中に何故か駄菓子「満月ポン」が…。一つ貰いましたが、調理の最中だったこともあって、よく味が分かりませんでした。帰ってきてから市内のスーパーで探しましたが、何処にも売っておらず。製造元の松岡製菓が楽天に出店していたこともあって、お試しセットを買ってみました。
DSCF1276_convert_20150724222143.jpg
これだけで税抜き¥1,000で送料込みです。意外とありますね。
DSCF1277_convert_20150724222400.jpg
テスさんが持ってきたのが濃い~味の満月ポン。食べてみると特別美味いというわけではありませんが、なぜか後を引く感じなのです。着いたその時に、昼飯代わりとして一袋食べてしまいました。
DSCF1278_convert_20150724222221.jpg
沖縄塩を使った小袋入りもありました。我が家にはこれぐらいでも良さそうです。
三種類食べた中では、黒みつ醤油が一番美味かったでしょうか。大阪のソウルフードとも称される満月ポン。しばらく楽しめそうです。


鶏レバーの甘辛煮

毎週水曜日に、近所のスーパーでは鶏のレバーが格安に売られています。レバーというと嫌う方も多いのですが、鶏のそれは牛や豚に比べると癖が強くないので、夏バテ予防にはお勧めです。
DSCF1271_convert_20150724041145.jpg
鶏胸肉と比べても随分と安価です。でも買っていくのは年配の女性がほとんどのようです。
DSCF1272_convert_20150724041200.jpg
鶏のレバーを使った料理としては、砂糖醤油で甘辛く煮た物が一番簡単です。レバーを使う際には、丁寧な下処理をする必要があります。周りについている脂肪を取り除き、レバーにくっ付いているハツ(心臓)を二つに割って、血の塊を取っておきます。これだけで十分だと思いますが、それでも気になる場合には牛乳に十分ほど浸しておくのも良いでしょう。
DSCF1273_convert_20150724041215.jpg
酒とみりんを煮切ってから、濃口醤油と砂糖を加えて煮立たせます。
DSCF1274_convert_20150724041230.jpg
そこにレバーと薄切りにした生姜を加えて落し蓋をし、七、八分煮れば出来上がりです。
DSCF1275_convert_20150724041248.jpg
ご飯のおかずにも良いのですが、焼酎のアテにはこれがピッタリなのです。

十六ささげ

デンパークに隣接しているJA産直所へ野菜を買いに行くと、今年初めて十六ささげが置いてありました。
DSCF1266_convert_20150723042624.jpg
十六ささげはマメ科の一年草で、蔓のような長い莢が特徴です。この莢に十六程度豆が入っていることからその名がつけられたといわれています。主に愛知と岐阜で育てられていて、これを食べる地域はそれ以外に関西が入る程度でしょうか。関東ではまず見かけないと思います。
DSCF1268_convert_20150723042639.jpg
まずはたっぷりのお湯に塩を一つまみ入れ、十六ささげを湯がきます。五分も湯がけば十分です。
DSCF1269_convert_20150723042655.jpg
冷水にさっと晒します。
DSCF1270_convert_20150723042711.jpg
適当な長さに切り分け、おろし生姜と白胡麻を振って、醤油をかけて頂きます。いたってシンプルで、特段美味い物ではありませんが、夏になるとこれが出回るので、毎年何となく買っては食べている夏野菜なのです。

天然のサイマキ

近所のスーパーに寄ってみると、活けのクルマエビがありました。
DSCF1258_convert_20150722042245.jpg
地物と書かれています。愛知県は県の魚をクルマエビにしているほど漁獲量も多いのですが、活け物だと養殖がほとんどです。
DSCF1259_convert_20150722042302.jpg
しかしこれはサイズがまちまちです。養殖物であれば、サイズを揃えて出荷しますから、天然と考えて良いでしょう。それなのにこんな安値が付いているのは、大きさが「サイマキ」と呼ばれるサイズだからでしょう。天ぷらにはこれで十分ですが、塩焼きや刺身にするには小さすぎるのです。
DSCF1262_convert_20150722042322.jpg
ということで、天ぷら用に下拵えしました。活け物だと冷凍と違って、殻が剥きにくいので面倒です。頭の部分から脚だけを外しました。これも使います。
DSCF1264_convert_20150722042353.jpg
大体180℃で30秒といった感じでしょうか。忙しすぎて揚げる写真は撮れませんでした。
DSCF1263_convert_20150722042337.jpg
中心はまだ生の状態です。エビを半生で食べることが出来るのは、活け物を揚げる時だけです。
DSCF1265_convert_20150722042410.jpg
脚は小麦粉だけをまぶし、空揚げにします。ビールには絶品のつまみなのです。